大会審査結果
 第五二回全国大会が、八月三日から五日まで京都府八幡市文化センターにおいて行われました。

 連日の猛暑の中、運営にあたられた京都府高校演劇連盟の先生方、そして実行委員の生徒の皆さんの献身的な努力により、無事全日程を終了することができました。「暑い京都の熱い夏」となつた素晴らしい大会であったことを、まずご報告し、あらためて京都の皆さん、上演校の皆さん、全国の顧問の先生方、観客の皆さんに感謝申し上げたいと思います。

 大会最終日に審査委員会が持たれ、別記のような審査結果となりました。

 審査の経過ですが、例年同様全校の上演が終了した後、優秀校以上に該当する四校を選んでいただきました。(それが下記の表です)。ただ、今回は審査員講師の先生方のご意向もあって、推薦される四校にそれぞれ一定の順位をつけていただきました。その結果、票数の多かった、秩父農工科学、甲府昭和、同志社のうち、秩父と同志社が最優秀の論議の対象となり、同志社を上位に推薦する先生方が多かったこともあり、同志社が最優秀に決定しました。

 優秀校については、秩父と甲府については票数に応じた形で決まりましたが、残り一校については、票の入った八王子東、三刀屋、滝川第二、福翔、釧路北陽、徳島城西の六校それぞれについて意見交換がおこなわれ、結果的に票数の多い

釧路北陽が選出されました。その論議の経過の中で、三刀屋に対しても高く評価する意見があり、審査員講師全員の合意により、審査員特別賞を授与することになりました。

 創作脚本賞、舞台美術賞、演出賞についても、審査員講師相互の意見交換があり、全員の合意の上、別記の決定となりました。

 今大会の審査では、特に大会二日目終了後(九校上演終了後)の中間総括に大変時間がかかりました。各校の舞台に対して、審査員講師の先生方が実に熱心に、真撃に意見を述べられました。

 あらためて、審査員講師の先生方の高校演劇に対する愛情の深さを感じさせられました。本当にありがとうございました。

 各校のそれぞれの舞台については、本号の審査員講師の先生方の講評をお読みになって下さい。また、今年度も「生徒講評委員会」の活動が実施され、その講評文については、「全国高等学校演劇協議会」のホームページに、全校分掲載されています。あわせてご覧いただければ幸いです。

 素晴らしい舞台と、素晴らしい運営と、素晴らしい審査員講師の先生方に恵まれ、充実した心に残る大会となりましたが、一方、私たちの組織の課題も理事会において熱く論議されました。

 なかでも、春の全国高校演劇フェスティバルが高演協の正規事業として承認されたことは大きな前進です。この事業をどう発展させていくか。また、指摘された諸課題をどう克服していくか。全国の皆さんのお知恵をお借りしながら検討を進めていきたいと思います。

 さらに、「著作権」の問題についても論議されましたが、このことはいくら厳しく注意しても、しすぎることはないということを、全国の皆さんにあらためて認識していただきたいと思います。

(櫻井)

大会審査結果

◆最優秀賞(文部科学大臣賞・
 全国高等学校演劇協議会会長賞)

☆京都府同志社高等学校
  (京都府代表)
 「ひととせ」

◆優秀賞(文化庁長官賞・
 全国高等学校演劇協議会会長賞)
  《上演順》

☆埼玉県立秩父農工科学高等学校
  (関東地区代表)
 「サバス・2」

☆山梨県立甲府昭和高等学校
  (関東地区代表)
 「全校ワックス」

☆北海道釧路北陽高等学校
  (北海道地区代表)
 「ラスティング ミュージック」

◆優良賞
(全国高等学校演劇協議会会長賞)

☆東京都立八王子東高等学校
  (関東地区代表)
 「学割だからいいのよ」

☆島根県立三刀屋高等学校
  (中国地区代表)
 「三月記 〜サンゲツキ〜」

☆兵庫県滝川第二高等学校
  (近畿地区代表)
 「君死にたまふことなかれ」

☆福岡市立福翔高等学校
  (九州地区代表)
 「木」

☆徳島県立城西高等学校
  (四国地区代表)
 「あすべすと」

☆青森県立青森中央高等学校
  (東北地区代表)
 「生徒総会06」

☆愛知県愛知高等学校
  (中部地区代表)
 「死神」

◆創作脚本賞
 「学割だからいいのよ」の作者
☆東京都立八王子東高校演劇部

◆舞台美術賞
☆埼玉県立秩父農工科学高校

◆演出賞
☆山梨県立甲府昭和高校

◆審査員特別賞
☆島根県立三刀屋高校

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