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「演劇創造」 復刊第112号
平成20年(2008年)4月15日 |
| ■ 平成19年度ブロック代表校決定 | |
| 第54回全国高等学校演劇大会出場校が決定しました。全国各ブロック大会で優れた舞台成果を作りあげられ、見事、全国大会に出場する栄誉を獲得された出場校のみなさん、おめでとうございます。 今年度の全国大会は、群馬県桐生市の桐生市民文化会館(シルクホール)を会場として、8月8日(金)〜10日(日)の3日間開催されます。 関東での全国大会は、2002年の第48回神奈川大会以来のことですから、6年ぶりの開催と言うことになります。昨年は、加盟校数が大変少ない島根県松江市での大会でしたが、とてもあたたかなふれあいを感じる大会でした。今年の大会の会場となるシルクホールは、桐生市の伝統産業である絹織物を象徴する繭をかたどったスカイホールと呼ばれる大屋根が特徴のホールです。この会場からどのような舞台が紡ぎ出されるのか、今から気持ちがわくわくしてきます。 というのも、今年は初出場の学校が例年にもまして多く、それだけに新鮮な舞台にたくさん出会えることが予感されるからです。もちろん、出場される学校にしてみれば、全国大会の舞台に向けて、大きなプレッシャーを感じつつ、なおかつ自由に、存分に自分たちの舞台を作りあげたいという気持ちでいっぱいでしょうから、夏までの日々は大変な毎日でしょう。どうか、良いコンディションで晴れの舞台を作りあげてください。 一方でこのところ常連校とも言える学校の作品に出会えることにも期待が高まります。今年はどんな舞台で私たちを楽しませてくれるのだろう。メンバーがかわって、新たな作品を作りあげることは決して容易な道ではないでしょう。それをまた、全国大会まで作りあげてこられるのですから、本当に新作は楽しみです。 |
上演される作品を創作・既成に分類してみると、数の上では、既成が創作をわずかに上回っています。 畑澤聖悟先生が前任校青森中央高校に書かれた作品もあったり、土田峰人先生の作品をのまさとる先生が新たに潤色された作品、あるいはまたギリシア悲劇を大胆に現代劇にアレンジされた岡谷南高校の作品など、どの作品も話題性に富んだ注目作と言えそうです。 そうした舞台を準備の段階から支えていく開催県群馬のみなさん、これから本当に大変な日々と思いますが、ともに大会の成功をめざして力を合わせていきましょう。1月の関東ブロック大会で行われた生徒講評委員会の講評文を拝見した私は、みなさんの舞台を見つめる目の確かさと、批評水準の高さに目を見張りました。きっとあらゆるパートで、講評委員のみなさんと同じような高い意欲で準備活動が進められていることでしょう。 全国大会出場校は、昨年から12校になりました。全国事務局長選出規定など、規約改定を行う必要が出てきています。また、全国事務局では、神奈川大会の時に分科会で取り上げた「演劇を授業として取り組む学校」の全国調査を行っていきたいと考えています。生徒数減少などを背景にした部員数、加盟校数の減少という厳しい状況の中で、少しでも私たちの活動が前向きになるような、全国各地での意欲的な取り組みの情報を期待します。桐生で、いろいろと私たちの「演劇創造」について交流を深めましょう。 (事務局長 吉田 美彦) |
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第54回全国高等学校演劇大会(群馬大会)出場校一覧
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| 期日:2008年(平成20年)8月8日(金)〜8月10日(日) 会場:桐生市市民文化会館(シルクホール) 〒376-0024 群馬県桐生市織姫町2-5 |
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| 北海道 | 大麻高等学校 | 北海道 | 山崎 公博作 | カ ノ ン | 顧問創作 |
| 東 北 | 青森中央高等学校 | 青 森 | 畑澤 聖悟作 | 河 童 | 既成 |
| 東 北 | 置賜農業高等学校 | 山 形 | 河原 俊雄作 | どんがら山奇譚 | 顧問創作 |
| 関 東 | 岡谷南高等学校 | 長 野 | 岡谷南高校演劇部脚色 (ギリシャ神話より) |
オイディプス | 既成 |
| 関 東 | 都立東高等学校 | 東 京 | 前原麻希・ 三輪 忍 作 |
羊のお水 さようなら | 既成 |
| 関 東 | 大船高等学校 | 神奈川 | 土田 峰人作、 のまさとる潤色 |
山姥 | 既成 |
| 中部日本 | 藤ノ花女子高等学校 | 愛 知 | 武田 郁子 + 花ちゃんズ作 |
幸せになぁれ | 顧問創作 |
| 近 畿 | 向陽高等学校 | 和歌山 | 阿部 順作 | Leaving School 〜振り返ることなく、胸をはって〜 |
既成 |
| 中 国 | 三刀屋高等学校 | 島 根 | 亀尾 佳宏作 | 暮れないマーチ | 顧問創作 |
| 四 国 | 春野高等学校 | 高 知 | 太宰 治作 | 駈込み訴え | 既成 |
| 九 州 | 日田三隈高等学校 | 大 分 | 岩男 衣世作、 日田三隈高校演劇部潤色 |
ボタン | 既成 |
| 開催県 | 新島学園高等学校 | 群 馬 | 大嶋 昭彦作 | りょうせいの話 | 顧問創作 |
| ■ 第二回 春季全国高等学校演劇研究大会 実施報告 | |
| 三月二十八日(金)〜三十日(日)に第二回春季全国高等学校演劇研究大会が、東京都港区の劇団四季自由劇場(客席数五百)で開催され、全国八ブロックから推薦された九校の上演と、劇団四季の俳優・スタッフによるワークショップ・劇場見学が行われた。 過去二回の試行と第一回大会開催までは、会場にも空席が目立っていたが、今年は、のべ二千四百二十五名の観客を迎えることができ、バラエティーに富んだ優れた上演作品が、それぞれに大きな感動を与えてくれた。 二十五日(火)〜二十七日(木)に各校百五十分の仕込み・打合せ・リハーサル、二十七日夕刻に交流会、二十八日(金)〜三十日(日)は、午前中に当日の上演校のゲネプロが各校八十分で行われた。 |
上演ごとの座席指定・完全入替え制と、 メールによる申込み、打合せ・リハーサル・ゲネ・上演にいたる日程、運営に携わる生徒・教員の身分保障、協賛企業の開拓、全国高文連との共催名義使用に関する折衝等々、検討するべき事項は山積みである。しかし、長年の念願であった、年度内における高演協独自の大会が、一つの形として動き始めた。この大会を支えてくださっている劇団四季スタッフのみなさんの熱意と愛情に深く感謝しつつ、次年度大会をより良いものにするべく努力したい。 演劇専用の劇場での、熱意あるスタッフのあたたかい支援を受けた舞台創りは、上演校生徒たちにとって、実り豊かな経験であった。ご好意により実現している、各校の希望に応じた、都内で上演中の劇団四季の舞台見学も好評であった。 運営については、まだまだ工夫の余地があるが、劇団四季の方々の全面的なご支援に深く感謝しつつ、より良い大会を目指して努力したい。 (副事務局長 森本 繁樹) |
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地 区
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上 演 校
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作 者 名
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作 品
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創 作
既成の別 |
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関 東
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茨城県立
土浦第一高等学校 |
関 勝一 作
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Be More Tough !
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顧問創作
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中部日本
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愛知高等学校
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古典落語より
愛知高校 演劇部脚色 |
品川心中
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既成
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四 国
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愛媛県立
川之江高等学校 |
越智 優 作
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犬山さんと
猫田さん |
既成
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中 国
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岡山県立
岡山操山高等学校 |
斎藤 真琴 作
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ホ ー ム
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生徒創作
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九 州
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津曲学園
鹿児島高等学校 |
谷崎 淳子 作
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解体新書
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顧問創作
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関 東
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栃木県立
宇都宮女子高等学校 |
小森 慈海 作
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自転車置き場に
午後6時 |
生徒創作
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北海道
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北海道
苫小牧南高等学校 |
乳井 有史 作
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sakippe
(サキッペ) |
顧問創作
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近 畿
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神戸龍谷高等学校
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高橋 利光 作
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アジアの純情
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顧問創作
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東 北
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山形県立
山形東高等学校 |
土田真一&
同校演劇部作 |
ぜろ2007
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生徒・顧問
創作 |
| ■ 事務局通信 | |
| 第五四回群馬大会の開催を夏に控え、桜の花が満開の桐生市市民文化会館で、今年度第一回の常任理事会・理事会が行われました。 * まず昨年度の島根大会について、大会事務局の細田先生から謝辞と反省点が述べられました。さまざまなアクシデントに見舞われながらも、無事に乗り切ることができたのは、関係者のエネルギーによるものだと感じたとのことでした。 続けて、群馬大会の要綱説明の説明が行われました。特に、生徒講評委員会については、各ブロック及び当該ブロックからの参加生徒により活動が行われていますが、今年度から分科会に加えて、全体講評をプログラムの中に組みました。生徒の活動が目に見えるかたちで明確に位置づけられたことにより、今後、生徒間の演劇活動をめぐっての交流がより一層活発になることを期待したいと思います。 三月に行われた「第二回春季高等学校演劇研究大会」については、一定の成果を上げる一方で、生徒主体の体制をどのように作るかについて、今後検討していくことが求められました。上演校の生徒からは貴重な機会を得ることができ「よかった」という声が多く、また観客数も増えてきたことから、課題を解決しながら、よりよい大会にしていくことができれば、と考えます。 高演協の規約について、事務局長の選出規定及び細則の改定案を示します。前者は、理事との関係、任期等、昨年度からの継続協議題についての原案提示、後者については現状の運用に合わせての改定原案を示します。各都道府県及びブロックで協議の上、第二回理事会で集約します。また、神奈川大会で分科会を設定し、研究を行った「演劇を授業に取り入れている学校についての情報収集」も行います。ご協力をお願いいたします。 |
* 一昨年度から継続議題となっていた、著作権に関する問題については、関係ブロックから経過報告と対応状況が示されました。 「著作権許諾」に関する手続きは、本来地区大会レベルから厳密に行われることが求められています。その一方で、時間の経過とともにガイドラインの設定に対する状況が変化をしてきていることも事実です。そのため、今回「脚本の上演許可」及び「音楽に関する著作権」についての全国事務局としてのガイドラインを設定し、各都道府県に提示します。著作権の確認事項については「高演協ホームページ」でも順次掲載していきますので、各校の顧問の先生方もぜひご覧ください。 * 高演協の規約について、事務局長の選出規定及び細則の改定案を示します。前者は、理事との関係、任期等、昨年度からの継続協議題についての原案提示、後者については現状の運用に合わせての改定原案を示します。各都道府県及びブロックで協議の上、第二回理事会で集約します。また、神奈川大会で分科会を設定し、研究を行った「演劇を授業に取り入れている学校についての情報収集」も行います。ご協力をお願いいたします。 (事務局 三上 実) |