復刊92号  WEB版


 

第47回 福岡大会によせて 永嶋 達夫

 第47回全国高等学校演劇大会は本年八月、九州は福岡において、第25回全国高等学校総合文化祭の演劇専門部としての参加を兼ねて開催される。
 すでに各ブロックよりの代表校11校が決定し、晴れの舞台に向け最後の調整に入っているころである。代表校の決定は前年度でありこの全国大会を迎えるには最上級生は卒業しているところから、新たにスタッフ・キャストを組みかえての出場となる場合も少くない。予選からの一貫性にはやや問題は残すかもしれないが、演劇そのものが常に一回きりの、同じ繰り返しではないところの性格をも考えるとき、常に新鮮なステージが展開されることを期待したい。
 高校生活が実質三年間に満たない期間で活動せざるをえない多くの種目・分野の中にあって、高校三年の三学期に当たる時期での実施が事実上困難であるとすれば、在校中の生徒の間での縦の連携による展開もまた意義のある充実した形と見ることができよう。
 中高一貫校の増や、高専よりの参加希望など、学校教育制度の変化に対応した高校としての組織の柔軟性もまた時代の要請の一つである。その意味での、より開かれた解釈による活動として意義あるものとして考えていくその一方で、高校生活を主とし、その活動を共有する者を核とする年代・世代による、いわゆる高校生による演劇という性格的位 置付けは、制度とは別に大切に考えていくべきものと思う。この全国大会がプロの審査員の参加をも得てコンクールとしての形を続けているのも、そのことによる純粋の質・レベルを重要視しているからである。
 確かに高校生という若い、意欲と感受性に満ちた、無限の可能性を秘めた育ち盛りの活動は、そのことだけで十分に感動的である。そういう観点に順位 をつけるような判断はあまり意味をもたないのも事実であろう。しかし、例えば記録や得点を競うような競技種目ならば客観的に明白な結果 として表われてくるが、演劇は芸術的な評価にもやゝ似た、総合的な印象そして、独特の感情移入を観る者に迫ってくる。その評価は大方はほゞ共通 したものとなろうが、また一方では、評価の分かれる点のあることも否めない。相入れない対立した価値観の違いというよりも、その違いこそが演劇の質を支える専門性ではなかろうか。
 高総文祭という、広く参加し、高校生のひたむきな活動のもたらす感動を共有していくことに意義のある場面 では、コンクール形式を内在した性格は若干の違和感をも秘めながら、しかし、良いものは良いということを信じて、晴れある出場校はこの機会を十分に生かし楽しみ、また多くの方々にはかけがえのない感動による心の通 じ合いを体験していただきたい。  なお、一部の地区では実施されている、生徒による評価活動は、演劇が演じる側と観る側との一体感により成立することから当然の好ましい活動であり、参加者による研修活動の一環として有効に機能していくことが望まれる。
 本年四月より、高校文化連盟が社団法人として発足した。文化庁等のバックアップのもと実際の活動に今すぐ変化を生じるものではないが、財政上の裏付け等自助努力の要請には今後も努めていかなければならない。法人化が本来の活動の一層の発展につながるよう、そのもたらす効果 にさらなる期待を込めて進んでまいりたい。
 最後に、福岡大会の成功を心より願う次第である。
  (全国高等学校演劇協議会会長)(学校法人十文字学園 十文字中・高等学校校長)

 

天井桟敷

 副事務局長の森本くんは、実は僕と同じ歳です。歳が同じだと見てきたテレビも読んできた本も同じで、話が合います。本当のところ事務局長のやらなければならない仕事のほとんどをこなしてくれています。▼会計の宮間くんは、苦労の多い仕事を黙々こなしています。最近ではホームページを作ってくれて、時代のニーズに応えられる高校演劇にしてくれた功績は大です。▼著作権担当の林さんとの出会いは、実は彼が役者だった時、僕の富士見高校で鑑賞会をやった舞台でした。その話をすると嫌がりますが、プロだった人が事務局にいるのはとても心強いです。▼三上くんは、いつもノートパソコンを抱えて現れます。彼のお陰で、僕もパソコンにかなりはまってます。特に会議の時は、欠かせない人です。▼藤原さんは、鬼の編集長です。彼がいないと「演劇創造」は発行できません。▼山本さんと佐久間くんは、「活動報告集」を編集しています。地味ではあるんですが、高校演劇の一年の歩みは、あれがないとわかりません。全国の様子が一目でわかる一冊を見事作り上げてくれてます。▼今年から入った柳沢くんは、いつも自転車に乗って現れます。一年目は見習いのはずが、文化庁に賞状を取りに行ったり、国立劇場の会議にでたり、目が回る忙しさです。▼こんなメンバーがいるから、僕はやっていけるんだと感謝している今日この頃です。(西澤 周市)