復刊92号  WEB版


 

さあ、博多へようこそ 福田 雅弘
 福岡の夏は、蒸し暑く、暑い。その暑い日差しが照りつける福岡で、その暑さに勝るとも劣らない熱い情熱を持った高校生が、全国から集う真夏の演劇の祭典、第二十五回全国高等学校総合文化祭演劇部門・第四十七回全国高等学校演劇大会及び指導者講習会が八月五日(日)〜七日(火)に、福岡サンパレスホールで開催されます。
 二十一世紀幕開けとしての最初の大会がアジアに開かれた、又、アジアの交流基点としての九州・福岡で開催されることに大変意義有ることだと思っております。
 演劇会場となる福岡サンパレスホールは、交通アクセスも大変良く、福岡空港に直結している地下鉄を利用して、約二十分程で到着できますし、JR博多駅からも、地下鉄又は、バス利用で、約十分程で到着できます。客席は、約二千三百席の大きなホールで、寧ろ演劇空間として大きすぎるのではないかという懸念の声もある程、大変立派すぎるほど立派なもので有ります。
 全国大会に向けて、準備を五年前から、正式な県の準備実行委員会としては、平成十一年度より立ち上げて準備・計画を行って来ました。結果 的には、予算の関係で準備・運営の会合等、十二分には行えず、大会運営面でも充分な予算という訳には、行きませんが、マイナスをマイナスと捉えるのではなく。それを寧ろ、プラスと捉えるのが演劇だと、我々運営関係者一同、心しています。
 又、運営に関して言えば、会館の職員並びに、スタッフの方々は、全国大会だからと全面 的に協力をして戴き、例えば楽屋入りの時間や、会館の入館時間等々、私共運営の我が儘を聞いて頂いて、目に見えない様々な配慮をして頂いており、大変有り難い事だと感謝しています。
 出場校は、福岡大会は昨年度の静岡大会と同様に元に戻って、十一校です。四月に全国大会出場校打ち合わせ会議を行い、無事終了する事が出来ましたが、前述しましたように、福岡の暑い夏に勝るとも劣らない熱い熱い情熱を持って、この夏の全国大会に挑んでいる事が運営をしている我々の肌にヒシヒシと伝わって来ました。又、全国大会の会場である福岡サンパレスの舞台に立って、サンパレス大ホールの感触を自分のものにしようとする、真摯な瞳の輝きの出場校の生徒の皆さん方を目の当たりにして、我々の運営の苦労も吹き飛ぶ思いがしました。
 しかしながら、皆さん御存知のように、演劇空間は、出場校と、運営の我々裏方だけがいて成立するものではありません。芝居を見る観客が居て、初めて成り立つものです。今年の福岡大会が成功するか、否かは、全国から大勢の観客が集まって観劇して頂けるか、否かに、懸かっています。是非、高校演劇に携わる生徒・顧問・関係者、並びに高校演劇を愛する方々に福岡の地まで、おいで頂きたいと願っております。
 バブルがはじけても、不況の中でも福岡は、元気だと言われています。(その割には、予算は大幅に削減されましたが)その元気な福岡の姿(福岡ドームを始めとする近代的な観光名所)や、悠久の歴史の匂い立つ太宰府なども、時間が許す限り散策下さい。また、歌舞伎様式の芝居小屋として有名な嘉穂劇場(飯塚市)も、是非ご覧になって下さい。
 全国から足を運んで頂いた皆様に、満足していただけるかどうか判りませんが、福岡で七月下旬に開催される世界水泳選手権に負けないよう、福岡の夏を彩 る博多山笠の怒濤の様な勢いと情熱で、生徒・顧問一丸となって、皆様をお迎え致したいと思っております。 (福岡県高文連演劇部門専門委員 長・福岡県立嘉穂工業高等学校)