春は風邪をひく。年に1回出すか出さないかの熱は決まって春だ。今年もそう。新国立劇場養成所の修了公演をパスしてしまった。残念。
少し持ち直したので、いろいろなところから案内のあった(全部メールで)「若手演出家コンクール」というのに出かけた。場所は下北沢。「若手演出家コンクール」は毎年開催されているらしい。そして最終審査に4人が残り、この下北沢の地でそれぞれの作品を上演し、その中でグランプリが決められるのだという。今年はその最終候補の4人に中に、何とあの「亀尾ワールド」と言えば高校演劇では通じる、島根県の亀尾佳宏氏がいるというのだ。今年の応募人数は50人くらい。となるとすごいことではないか。早速予約をし観に行く。劇場は、劇「小劇場」。本多劇場の前にある小さい劇場で、入るのは初。行くとすでに列ができており、なかなかの人気である。実際劇場は100人ほどの席数だが、すぐに満杯。後から来たお客さんを何とか入れようと、係の方々が一生懸命誘導している。小劇場ブーム時代を思い出すなあ。この人気はこの企画のものなのか、亀尾氏のものなのか。あいさつに出てきた亀尾氏もその満員の観客にちょっと面食らったよう。おもしろかったのは、あいさつに出てきて、他のキャストも出てきて、なんとなくそのまま劇に入っていくところ。途中でも、そんなところがあったりして、現代と過去が交錯してないまぜになっていく。劇は「TAKASHI」。島根県出身の永井隆という医学者の話です。音楽、照明を駆使して幻想的な世界を創りだす「亀尾ワールド」も健在でしたよ。芝居もストレートに現代に訴えかけてくるもので、カーテンコールを求めて拍手鳴りやまず。こんなことめずらしい、と審査員の1人が言っていました。
この「TAKASHI」、もともとは40人のキャストで創った2時間の市民劇とのこと。そのバージョンも観たくなりました。亀尾氏が40人引き連れて東京に来るか、自分が行くか、だな。
「若手演出家コンクール」の上演4団体は日曜日に観客付きの公開審査で最優秀賞が決定するよう。ひぇ~、おそろしい。審査員の面々も、ひぇ~、おそろしいの方々ばかり。チケット2000円で、全4団体が観られるのもお得ですね。亀尾氏の健闘を祈ります。(亀尾氏が「若手」であるかどうかについては、審査員からつっこまれていましたが・・・)
もうひとつ、はさまっていたチラシの中に、島根県雲南市の劇団があって、劇団ハタチ族というのだが、「365 project 毎日公演」なる企画をやっているのだとか。つまり、2015年は1月1日から12月31日まで毎日公演をやる企画なのだ。実際3月の予定表を見ると毎日公演が入っている。すごい。
島根県、元気だなあ、の日でした。風邪も直りつつある。