全国大会はやはりキラキラ輝いていた。

早いですねえ。もう全国大会が終わって2週間が過ぎてしまいました。その2週間の間に、職場に行って補習したり、面接の練習したり、外に研修に行って「最近の教育事情」について学んだりと、自分は教員なんだと久しぶりに自覚して、無事現実復帰したのですが、じわじわと、全国大会はよかったな、やっぱりキラキラ輝いていたな、という感慨も生まれてきました。2週間ですでに全国大会が思い出になりつつあるのでしょうね。2015あの夏が終わる・・・

 

今年は、幸運にも出場校として参加しました。だから、いつもとは違う関わり方や思いをもって大会に臨みました。10年以上も前に、福岡や神奈川、福井に行った時の、やっぱり暑い夏の一瞬一瞬が蘇りましたね。

 

今年の全国大会ですぐに思い浮かぶのは、滋賀県の皆さん(生徒さんも先生方も)の一生懸命なおもてなし、です。鮮やかな水色のTシャツを着て、大きな声であいさつをしてくれて、すぐに案内してくれて、プラカード持って入場整列をがんばって、場内整理をして、汗だくになって会館内を動き回り、ひこね市文化プラザを青の牙城と化した、滋賀県のみなさん、本当にありがとうございました。全国大会の成功も、そして出場校としてこんなに満足感にひたれるのも、みなさんのおかげです。Dang先生は、「滋賀県の演劇部は加盟校も少ないから生徒も少ないんですよ」とおっしゃっておられましたが、どうしてどうして、私には1万人もいるかのように思えました。

 

そんな中、まったく同じ色のTシャツを作って滋賀県に来たのが、大分豊府高校の皆さん。滋賀県のスタッフさんがいるのかと思ったら上演校でした。実際、他の方からもずいぶん間違われ、「そんなとこに座ってないで、早くお客様を案内しろ~」と言われたこともあったそうです。あの色の選択は、自らの身を隠すため?開催県に同化するため?その理由は?最優秀賞受賞、おめでとうございました。

 

交流会も久々に参加しましたが、最高でしたね。上演校が、滋賀県が、そして時期開催県の広島県が一つになった時間でした。

 

審査結果発表・・・お祭りで一体化した会場が、ほんの一瞬、区分けされます。歓喜するもの、意外な結果に声も出ず呆然とするもの、ほろ苦さをかみしめるもの・・・どんな大会でも同じです。でもほんの一瞬です。大きな祭りをみんなで終えた充実感が、次第にその分け目を埋めていきます。拍手を送るごとに。国立劇場で上演することになった4校にはこうエールを送ります。「この滋賀大会の思いを東京まで運んでください。国立劇場で滋賀大会の代表としてがんばってください。」と。

 

千葉に帰って反省会をしました。そこで出た言葉を二つ。

 

①生徒「開演前、緊張して足が震えた」 こんなこと聞くのはどれだけ久しぶりだろう。彼女は3年生。私は本校の3年生女子(女子しかいない)は猛者だと思ってきた。ここまで2年半、数々の演出を受け、数々の公演に出て、全国大会前など3本同時稽古や3日ごとに別々の作品を上演してきた彼女たち。高校生といえども、心は老成。どんな試練にも、どんな仕打ちにも決して動ぜず、傍で顧問がうろたえているのを優しく制御してくれる彼女たちが、あの満員の観客に、そばで回るテレビカメラに「緊張で舞い上がった」と言うのだ。これが全国大会なのだ。初めて舞台に立つときのあの緊張を、再び味わえるのが全国大会なのだ。

 

②指導顧問「この半年間、夢見心地でいられた」 そうか、そんな考え方もできるのか。常々、推薦決定から全国大会までの道のりは、時間的に長いかな、と思ってきた。関東で半年、北海道は8か月! しかし、それはずっと「全国大会、全国大会」と独り言を言い、夢に見、思い続ける時間でもあるのだ。つまり、「長~い幸せの時間」なのだ。これが味わえるのが高校演劇の全国大会なのだ。高校野球は、甲子園が決まっても、2週間後には初戦敗退してしまうこともある。半年の幸せの時間と2週間の幸せの時間。どちらがいい、悪いということではない。幸せの密度はどちらも同じだろう。だけど、半年もの間ウヒウヒと幸せを、もう味がしなくなるまで噛みしめる、スルメ噛みの特典を、全国大会は味わえる。これはいい見方だ!

 

では、毎日更新宣言を見事完結させてくれた(実は1回失敗したが)、強い味方の一つ「上演校からのメッセージ」シリーズより、もう一度アトランダムに抜粋。できれば、お好きなBGMをかけて読んでください。

 

 

1年経った今、あのときの事を振り返ると、茨城での全国大会の日々はかけがえのない瞬間だった!と思うのです。2014年7月。暑い夏の、素敵な瞬間。大切な思い出。/振り返ってみると楽しかった想い出ばかりです。/全国の舞台は”あったかいんだからあ~♪/特別な楽しい時間、幸せな時間を、思う存分満喫してください。私にとってもそうだったように、ここでの体験は、間違いなく一生の財産になるはずですから。あのときの拍手の音が忘れられず、定年退職後の現在も高校演劇と関わっています。/上演ごとに感想がツイートされたりして、ツイッターはこういうイベントと親和性がありますね。/そう、あの、満員の観客からの拍手を聞いたときの興奮は未だに忘れられません。あれは、おそらく私の人生の中で、最も幸福な一時だったと思われます。/メッセージボードもいいもんで、あれはエールを書くところ、大会の盛り上げ役というか。あれ読むとうれしくなりますね。/真っ昼間に、荷物をもって勝田一中まで歩いたこともかけがえのない想い出です。12校の芝居を見るために日本中から集まってもらえるなんて一生に一度の経験です。/交流会はすごく受けたのでみんな満足です。ここで受けるのは使命のような気がします。/部員全員の絆が一瞬にして深まる瞬間を私は肌で感じました。あの時の感動を私は一生忘れません。/こうして振り返ってみて思うことは、同じ夏は二度とやって来ないのだということです。一度しかない舞台を、一度しかないこの夏を思いっきり楽しんでください。そして思いっきり輝いてください。私も輝きます。勝負ですよ〜!!/稽古を重ねてさらに進化した皆さんの芝居が満員の客席から盛大な拍手を起こしたとき、審査の結果がどうであろうとも、必ず「やって良かった」と思えます。/ひたちなかの青い海が目の前に広がったとき、バスの中に歓声が上がりました。海なし県群馬の高校生にとって海は憧れです。/幕が上がりました。大きく打ち寄せる波音のような爆笑。響きわたる拍手の音。地区大会のころから「入賞より爆笑」だけが目標でした。全国の舞台で、このささやかな願いを、こんなにも温かくかなえてもらえるとは。/皆さんにはこれまで に評価してくれたたくさんの方の応援があります。残念ながら全国大会に観には来られないけれど皆さんの芝居が大好きだという方も必ずいます。その方たちを信じて、自信を持って、楽しんで演じること。私はそれが一番大事だと思っています。

 

どうですか。全国大会前にいただいたこれらのメッセージ。終わって改めて読んでみると、ドカンドカンと胸に響いてきますね。もう、「そうだ、そうだ」とうなづきまくりですよね。そしてちょっと泣けます。本当にこの2015年の夏は終わってしまうのだと。

 

さあ、「高校演劇の秋」がもうすでにいたるところで始まっています。「高校演劇の秋」は高校演劇の旬の季節。2015年産高校演劇の刈り入れです。今年はどんな作品が産み出されるのか、わくわくします。その「高校演劇の秋」(地区大会・都道府県大会)「高校演劇の冬」(ブロック大会)の先に「春」(春季全国)と「夏」が待っていることを少し意識してみませんか。いつもそうだと思うけど、今いるメンバーで、最高の舞台を目指しましょう。

 

と、締めくくったようでありながら、しかし、「夏」はまだ終わらない。私の耳にはまだtubeの曲が鳴り響いています。

 

優秀校東京公演@国立劇場 8月29日(土)30日(日)です。「2014年産高校演劇」の総決算です。この夏の思いを、2014年高校演劇の思いを、4校+東京代表1校に託して(ちょっと重いかな)、夏を締めくくりましょう。夏が終わる?寂しい?大丈夫、あと2週間あるから。

 

全国大会Tシャツ特集

 

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感動的な総決起集会でした。大会2日前です。

 

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その後は、「おもてなし」の稽古。一朝一夕にはできないのです。

 

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下から、滋賀県スタッフがあいさつをしてくれました・・・

 

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と思ったら、上演校の大分豊府高校でした。絶対間違える。

 

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来年度開催県、広島の赤い軍団。とにかく目立つことが大好き。

 

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密かに、緑の(小)軍団がいたことに気付きましたか。再来年度開催県、宮城です。

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