今週末、青森、岩手、山形と東北ブロックの3県で県大会である。最近は千葉でも朝晩はけっこう寒い。青森、岩手、山形となれば、もう秋真っ盛りで、冬の近さを感じさせる冷え具合か。山形県大会には昨年行った。あれからもう1年。早過ぎる。青森、岩手の両県大会にも何度も行った。大変お世話になりました。東北の県大会の時の朝の散歩のすがすがしさが忘れられない。
ところで、いつもこのブログで、中部日本ブロックの県大会は8月に行われるところが多い、と何度か書いたが、岐阜の特派員T氏が早速、その理由を教えてくれた。
「岐阜や愛知が8月に県大会を行っているのは、実は県大会への出場校数の多さが原因なんです。岐阜は、地区大会出場校45校→県大会17校で4日間、愛知は、地区大会130校→県大会25校で5日間。三重は地区大会28校→県大会11校(3日間)。 岐阜も、かつては、11月上旬(文化の日を使って2日間)に地区大会、11月下旬(土曜日2日、日曜2日+勤労感謝の日)に県大会を行ってました。
しかし、11月にこれだけの日数、文化会館をおさえることが困難になり、県大会への出場校数を減らすか、それとも現状の出場校数(3校に1校)を確保するために夏休みに県大会を行うか激論が闘わされ、結局、県大会出場校を減らさないために、夏休みの県大会実施に変更しました。(もう30年近く昔の話です。)」
そうか、そうか、そうっだたのか。T氏は40年以上も前に生徒として全国大会に出場したことがあって、その時から高校演劇一筋のベテランである。岐阜県や中部日本の歴史をよく知っておられる。そうか、県大会の出場校数を確保するための夏休み開催か。納得がいく。T氏は、分析を加えている。
「その結果、良かった点・・・県大会出場校を減らさずにすんだ。進学校でも、3年生が大会に参加できるようになった。悪くなった点…1年生を育てる場がなくなった。いきなりの大会で、1年にとっては、すべてが初体験!全国大会と日程が重なるため、参加(出場するにもただ見に行くにも)するのが大変になった!まあ、要するに一長一短で、何を大切にするか・・・という問題ですね。ただ、出場しないまでも大会を運営するだけでも生徒は育つと思いますので、やはり、大会期間は、1日でも長い方が良いと思います。その考え方は、4日間の中部大会も同様です。」
確かに10月、11月の県大会は基本土日の2日。金土日の3日間も数県ある。出場校数は10校~15校か。地区大会、県大会は高校演劇大会の最も大事な大会であると思う。地区は全ての学校が大会に出ると言う意味で。県は組織運営と言う意味で。大会だけでなく、研修会もワークショップも合宿も、さまざまな活動は県単位で行われることが多い。そんな時に生徒にとっても、顧問にとっても他校の生徒、先生方と一緒に仕事をし、交流をし、演劇の話をすることでどれだけ刺激を受けるか。モチベーションが上がるか。そう考えると、県大会へ出場できる学校は多いほうがいい。ただ、出場校数に限りがある。だから加盟校が多い県は大変である。そしていろいろ工夫している県がある。
千葉は加盟約110校。今が地区大会真っ盛りで、県大会は11月最後の週である。12地区に分かれ、基本一地区1校が県大会推薦校である。8分の1、9分の1が普通で、中には13分の1なんて地区もある。前年度の県大会で最優秀賞と優秀賞1席を獲得した学校(つまり関東大会出場校)が所属する2地区が2校枠となる。計14校出場。地区大会で推薦を得るのが一番大変だと、さる大御所顧問は言う。地区割りを半分にすればいいのだが、今8校でも日程を合わせるのが、相当に大変である。地区の会議の半分以上は、日程確保に充てられる。15、6校になったら不可能なのではないか。
埼玉もほぼ同じくらいの加盟校で、地区も10地区だったかと思う。ここが面白いのは、地区1枠ではなく、共通の審査員に2地区を観てもらい、両地区から2校県大会への推薦としていることだ。地区の組み合わせは、固定ではなく、毎年変わる。大会も連続しているわけではない。なるほど。一地区1校の不満を解消する一つの方法ですね。ただ、結果として1校も県大会に出場できない地区もあるだろう。また日程、会場も異なる大会審査の難しさ。これは関東の共通審査員制と同じである。
神奈川も100を超える加盟。ここは横浜地区の学校が突出して多い。だから地区大会を2段階でやっている。横浜市高等学校演劇連盟のHPによると
9月下旬~10月上旬 秋季演劇発表会 地区大会
4~5ブロックに分かれて、35~40校程度が発表します
10月下旬 秋季演劇発表会 中央大会
各ブロック代表 10校がテアトルフォンテで発表します。
その中で選ばれた3~4校が11月の神奈川県大会に出場します。
とある。これは横浜地区結束固まりますねえ。何と6日間に渡る春フェスやワークショップもある。
東京は200校を越え、全国最大加盟校数県(都)。前は6地区2枠の都大会推薦であったが、何と地区が30校越えていた。15分の1、16分の1の世界であった。また大会も連続してできるわけがなく、何週間かに渡って開催されていた。しかし、東京は動いた。昨年より始まった、東京芸術劇場シアターイースト、シアターウエストと言う隣接する2会場を使っての、同日程同時刻同時開催。都大会出場校数を一挙に2倍の24校に増やした。(それでも9分の1、8分の1の世界だが) 昨年都大会を観に行ったが、出場校が増えた分、生徒や先生方も増え、実行委員も増え、観客も増え、活気に満ちていた。
と、自分の知っている、関東都県を簡単に紹介したが、他にも地区大会、県大会での工夫をしているところがたくさんあるだろう。教えてください。いい勉強になります。