滋賀便り①

今日は趣を変えまして、「滋賀便り」をお送りします。都道府県別魅力度ランキング最下位の茨城県(開き直ってそれを売り物にしていますが)ほどではないにしろ、どちらかと言うと目立たない県5指には入るであろう(独断です)滋賀県・・・私も全く詳しくありません。しかし、京都の奥座敷のようなその位置付けは奥深い独自の文化と歴史に満ちているのではないかと思うのですよ。

 

それを私が付け焼刃の知識で語って、底の浅さを周知に知らしめるよりは、やはり近江人に語ってもらたい。滋賀県のDANG先生に相談しました。紹介していただきました。昨年度茨城大会審査員をしていただいた、黄地 伸先生です。近江の方です。

 

では早速、先生の味わい深い「滋賀便り」をお楽しみください。

 


昨年は、本当に色々とお世話になり有り難うございました。生意気なコメントを垂れ流して、今になると恥じ入ります。

 

今朝いきなり壇先生から電話を頂いて、懐かしくて軽々しく即答してしまいましたが、改めて我が身を振り返ってみると、滋賀を語れるほどこの地を知っているわけでもなく、ただどっぷりと「近江のぬるま湯盆地」につかっているだけの我が身にぞっとします。

 

そうです。滋賀の人間はぬるま湯につかって、危機意識が欠如しているのです。たっぷりと湛えた琵琶湖の水とその恵みの作物のお陰で、安穏としている。自然災害も他府県ほど残酷ではなく、自然の恵みをただ享受出来ることにひたすら甘えている「民」が近江の人間だと思います。


ところが、最近あのTMレボリューション(西川貴教)君が滋賀を恥じず、堂々と稲妻ロックフェスをやり始めてくれてからか、滋賀県民はあまり卑屈にならずに、むしろ誇りに思う人間も出現してきているようです。京都に寄生せず、観光立県を目指しているといったところでしょうか。あの「ひこにゃん」は海外にもうって出るとか…。

 

昨年は外国人観光客も結構呼んだようです。今回も皆さんにご迷惑をおかけしていると思いますが、宿泊施設が絶対的に少ないのです。ご馳走も、近江牛は高すぎるし、フナ寿司は臭すぎるし、ほかにこれといった食べ物があるわけではありませんが、どうぞ、この月末生ぬるい滋賀を体験してみて下さい。きっと、じわじわと伝わる何かがきっとあるはずです。


今日は、私は退職後待ち受けていたかのように与えられた民生児童委員の定例会を兼ねた県内研修で信楽まで行って来ました。

 

信楽は滋賀最南部にありますから、奈良や三重と県境にあります。狸の陶器で有名なところですが、ここに早くから(昭和27年)成人した障害者の自立した生活を支援するための施設が始動しました。『信楽青年寮』です。創始者は池田太郎氏ですが、彼と同じく知的障害者施設『近江学園』や重度心身障害者施設『びわこ学園』の創始者の糸賀一雄氏は「社会福祉の父」呼ばれる功労者でもあります。滋賀は福祉の先進県なのです。

 

民生児童委員を引き受けるまでは、そんなに詳しくありませんでしたが……。

 

ともあれ、学校という社会からいったん離れると、今までの生活と環境が対象化されて、見える景色が変わるものです。いろんな方面に活動の場を求めて、改めて地域に生きることの意味を考えています。

 

東近江市立湖東第三小学校 地域コーディネーター
黄地 伸

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