新入部員は本当に増えたのか③

今日も忘れずに更新しますよ。学校がある時は夕方になって、忘れていて危ない時もあるけど、何とか今日も大丈夫です。

 

さて、今回は一部的に評価の高かった、「新入部員は本当に増えたのか」シリーズ第3弾、新入部員が突如飛躍的に増えた演劇部の物語の続きです。「滋賀便り」やったり、「昨年度上演校からのメッセージ」やったり、方向性の定まらない、落ち着かないブログですが、まあ私の性格ということで、お許しください。

 

第1部は7月10日版をご覧ください。

 

②翌日、全国大会常連で、何と最優秀賞を3度取ったことのある高校演劇の強豪校・若柴S高校を抑えて地区発表会最優秀作品賞を取ったY高演劇部の活躍に、先生たちも生徒たちも優しいだろう。これまで部活ランキング最下位を争ってきた、あのアニメ部さえも負けを認め、「あんたたち、今輝いているよ」と、少し気味悪いエールを送ってくれるだろう。ただ一人、生徒会長を除いては(おとめ座、趣味は昆虫採集)。

 

最優秀賞の賞状を手に持ち、翌週の全校集会での表彰を目論んだ、演劇部部長M(3年、照明家志望)に、生徒会長は冷たくあたるだろう。「ふん、そんなの、上につながらない、地区の集まりの大会でしょ。審査だって先生や生徒がやってるんでしょ。客観性が全くないじゃない。そんな賞状意味ないわ。」 なぜか高校演劇のシステムをよく知っている生徒会長は鼻歌でも歌うかのように軽くそんなことを言って、演劇部を追い返そうとするだろう。先制パンチでノックアウト寸前のMは、副部長T(2年、進路未定)に支えられながら、かろうじてこう言うだろう。「会長、うちの劇観たことあるんですか?」 会長はこう即答するだろう。「ああ、観てるわ、春と夏の地区大会、毎回ね。それから新歓公演とクリスマス公演もね。いつも変装してるけど。」 そしてこう言ってのけるだろう。「だいたいあなたたちの劇、テーマがないのよね。あたし、テーマがない劇って大嫌い!」と高校演劇に関わるものを一発でKOする言葉を放つだろう。そして立て続けに「悔しかったら秋の大会で賞状もって来なさいよ。県大会に行けるのは3校までよね。1校は若柴S高校に決まってるんだから、残りはあと2席よ。遠山G高校の若い顧問、最近やる気を見せているみたいよ。自分で台本書くって。うちはどうなのかしら。書き手いるの?ホンよ、ホン、ホンが全てなのよ。」とどこかの演劇部顧問のようなこと言い、最後に「最優秀か優秀ね。でも無理ね。43人もの部員、どうやって1時間の劇に出すのかしら。いい、60分超えたら失格なのよ、わかってる?それに高校演劇は数じゃないのよ。人数多いからって踊ってごまかしてもだめなのよ。そこには一つのテーマが連綿と流れてなくてはいけないの。かつて全国大会の最優秀取ったのは一人芝居だったわ。」とやっぱりなぜか高校演劇を熟知しているように言うだろう。完全に打ちのめされた部長Mは、照明家としてやっていく自信さえ失いかけ、なぜ生徒会長が自分たちの公演を毎回観に来て、またなぜそんなに高校演劇に詳しいか疑問を持つこともなく、ただ副部長Tに体を支えながら、生徒会室を後にするだろう。この時副部長Tの心に将来看護師になりたいという気持ちが芽生えたのかもしれない・・・

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