優秀校東京公演までまで2週間!

8月の半ばの某日、東京都千代田区の国立劇場の正面玄関に、6人の男女が集まった。彼らは案内人に導かれ、別の入り口から内部に入り、ある一室に集合した。

 

そう、この日は、優秀校東京公演の顧問打ち合わせの日であった。国立劇場で上演することになった、演劇4校、郷土芸能4校、日本音楽4校の上演校が東京に集まり、国立劇場のスタッフの方々と打ち合わせをする特別な日なのだ。

 

演劇は、大阪、北海道、香川、大分から。他の部門だって、沖縄・南風原(郷土芸能)、和歌山・橋本(日本音楽)などなかなか遠方なのだ。生徒も連れて来て、この国立劇場を見せてあげたいところだが、顧問だけの場合が多い。

 

最初の打ち合わせは演劇部門。6人の男女は、滋賀全国大会代表4校の顧問と生徒である。

 

打ち合わせは、贅沢にも国立劇場の舞台上で。う~む、打ち合わせと言えど、舞台に立つと緊張する。(出場校顧問の代弁)。演劇は、照明、音響、舞台と打ち合わせ内容が多い。国立が決まって約1週間でさまざまな資料を仕上げ送ったが、不備はなかっただろうか。(代弁) うちの生徒はこんなすごい舞台に立って興奮して鼻血が出ないだろうか。(代弁) ところで地区大会が近いのだけど、その台本はどうしようか。まあいいか、国立が終わってから考えよう。(代弁) それよりも稽古だ、稽古しないと。何といっても東京だからな。(代弁)

 

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大阪府立緑風冠高校・・・初大阪府大会出場、初全国大会出場、初国立劇場と「初」を三つもつけてここまで来た。しかも作品は50年前の作品「太鼓」(木谷茂生:作)。シブい! この学校を率いるのは、敬愛する吉田美彦・前全国事務局長。昨年12月に奈良で開催された近畿ブロック大会。上演前の舞台設営で真っ先に舞台に出てきてナグリでカンカンやり始めたのは、吉田氏であった。嬉々として舞台をあっちこっち動き回り、セットを確認するその姿は、まさに青年教師そのもの。5年前の事務局長時代よりもさらに5歳くらい若く見えた。私もゆくゆくはああなりたいものだ。(ただ私は動かないタイプ。自校の設営の時にただ突っ立っていたら邪魔だったのか「先生は何もしないんですね。」と係の先生によく言われた。) 

 

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大分県立大分豊府高校・・・昨年の久留米大附設「女子高生」に続き、九州ブロックから最優秀!畏るべし九州。上演作品「うさみくんのお姉ちゃん」で創作脚本賞も受賞した顧問・中原久典氏は、「九州若手顧問衆」の一人。(注:若手とは50歳未満を言う。ただし50代以上でも勝手に所属する権利はある) 第8回春季全国大会(岩手・北上)を経て、全国大会に初登場。(同じく九州ブロック佐賀県立佐賀東高校も第7回春季全国大会(福島・いわき)を経て今回全国大会に初出場。「ママ」の作者・いやどみ☆こ~せい氏も「若手衆」の一人だ。) もの腰は柔らかいが、笑いのパンチは強烈。自主公演では「やっぱりパパイヤ」の「バ~カ~ヤ~ロ~」のお父さん役をやってくれたらしい。

 

 

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香川県立丸亀高校・・・国立劇場ではさらに映えるだろうな、この作品「用務員コンドウタケシ」。作者の豊嶋了子先生は、四国大会終了後、この作品の劇評を求めて必死にネットを検索。あまり出ていないのにがっかりしていたところ当ブログのコメントを発見。そこには「タイトルと同姓同名の方はきっといるだろう。楽しみです。」(2014.12.29)の一文だけが・・・さらにがっかりしたと、その後何度も聞かされるはめになりました。(だって昨年は四国大会行ってないのだもの) あと、2年前の松山での四国大会の時に「全国行きたいっすよ~、先生!」とこれも何度も聞かされたのを覚えてます。わずか2年で実現しましたね。丸亀高校としては2003年第49回全国大会で最優秀賞(「どよ雨(う)びは晴(は)れ」)を受賞して以来の国立劇場です。その時のOBOGたちが今は東京近辺にいて、今回の上演をとても楽しみにしているとのことです。

 

 

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札幌琴似工業定時制・・・自分の中では感動大賞でした。「北極星の見つけ方」。劇を観てからタイトルを読むと、またググッと来ます。8年前でしたか、北海道大会に行った時、お祭りの露店を舞台にした劇があって、私はとてもその作品に感動したのですが、その作者が、今回の作者・鷲頭 環先生だったということが、全国大会が終わって初めて知りました。確かに思い返して見ると、私を突くポイントは同じでしたね。昨年に引き続き、北海道からの出場。2学期も今週から始まるところが多いそう。授業と部活、大変ですががんばってください。しかも演劇部門トップバッター。みなさん、応援しましょう。

 

というわけで、全国大会から2週間経って寂しがっていたら、国立劇場2週間前であった。やっぱり「高校演劇の夏」は続いている。

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